#05
See Her Tonite、Cafe Wha?のサタケ氏と
当時、1stアルバムの発売を間近に控えていたGuitar Plus Meのシオザワ氏をゲストに迎えての第5回。
サタケ氏、シオザワ氏ともにSenseless Recordsでは絶対に売ってないような、
お洒落で物静かな感じの曲をふんだんにかけています。
今回、当サイト製作者は門外漢も甚だしいものですから、曲の解説はそこそこに、
曲の合間にDJツチヤに降りてきた“神が宿った一言”を紹介する事に終始しようかと思います。


曲目 (タイムテーブル)
イントロ:Gutar Plus Me - Frog (00:00〜)
01.Steve Forbert - Romeo's Tune (03:44〜)
02.Toad The Wet Sprocket - Crowing (08:00〜)
03.Eric Kaz - Good As It Can Be (12:45〜)
04.Dixie Chicks - Land Slide (17:33〜)
05.Wheat - Soft Polluted Blacks (22:46〜)
06.Nickel Creek - Lighthouse's Tale (27:39〜)
07.Bill Fox - すごい良い曲 (35:45〜)
08.Cowboy Junkies - Sun Comes Up,It's Tuesday Morning (39:06〜)
09.The Mice - Not Proud Of The USA (44:48〜)
アウトロ:Guitar Plus Me - Umbrella (47:13〜)


曲紹介

イントロ:Gutar Plus Me - Frog (From:Water Music)
ギター・プラス・ミー、待望のフルアルバムから。
この曲、「Frog」の“今、俺はキャンパスを離れて(俺の小さな王国は過ぎ去った)”とか、
アルバムの中の1曲、「April Skies」の“君は大学にいた頃を思ってる”という歌詞が
何も考えないで気楽に生活していた、古き善き時代を思い出させてくれます。
「4月の空」ってタイトルなのに、歌詞の内容は5月病を先取りしたかのような感じですよ。
そんな歌詞の1つ1つが、未だにモラトリアムから抜け出せない自分の胸を打つのです。
また、「April Skies」は、カセットでリリースされた「Suburban Photographs」からの再録で、
こちらのカセットも非常に好内容なので要チェックであります。



01.Steve Forbert - Romeo's Tune (From:Jackrabbit Slim)
サタケ氏によると、このスティーブ・フォーバートは78年デビューという事で
70年代初頭に巻き起こったキャロル・キングやジェイムス・テイラーを中心とした
シンガーソングライター(以下、SSW)の潮流に完全に乗り遅れてしまった、と。
ちなみに、DJツチヤが“AORって何?”とのたまってましたが、
AORとは“アダルト・オリエンテッド・ロック”の略であります。
78年というと、先に挙げたSSWの草分け的存在、ジェイムス・テイラーも
それまでのフォーク/カントリーからAORっぽい音楽性に変化してた頃でしょうか。
それを考えると、スティーブ・フォーバートの“乗り遅れた感”が更に強まる感じがします。



02.Toad The Wet Sprocket - Crowing (From:Dulcinea)
ラジオでの“歌い方を真似しました”というシオザワ氏の発言や、
トード・ザ・ウェット・スプロケット(ヒキガエルと濡れた鎖)というバンド名と
上で紹介したGuitar Plus Meのアルバムのジャケットを対比して考えると、
シオザワ氏が、このバンドに如何に影響されたかが垣間見えると思います(ちょっと強引ですか?)。
あと、“このバンドは名前もジャケも良くない。メンバーもカッコ悪い。良いのは音楽だけ”と
シオザワ氏は言ってますが、このジャケ、結構良い感じじゃないですか?
それにバンド名も良いですよ。ヒキガエルと濡れた鎖なんて、すごく叙情的な名前だと思います。

で、曲間での聴き所は、“アメリカの場末の音楽は雑誌ではあまり紹介されない”と
サタケ氏が憤慨なされていた際にDJツチヤが放った、この一言。
“じゃあ、そこにナイス・アメリカって風俗店があるんですけど。かなり、ナイス・オブ・アメリカ的な感じで。
アメリカの場末の女の子も、あまり紹介されないですよね”…まさに神懸かり的な発言。



03.Eric Kaz - Good As It Can Be (From:Cul-De-Sac)
“心に病がありそうな色使いのジャケ”という一言ですが
実際にジャケットを見ると、なおさら笑いのツボを刺激される感じですね。
“これは2ndアルバムだけど、1stもすごく良いんだよね”というサタケ氏の発言に、
“ジャケがですか?”と、DJツチヤが返す辺りは凄まじい降臨っぷりと言えましょう。
あ、それと小沢健二がサンプリングした「ある光」は自分も名曲だと思っています。
でも、一番好きなのは「それはちょっと」っていう曲のジャズっぽいアレンジの方かなぁ。
いや、ウソでした。一番はアレです、「Eclectic」に収録された「今夜はブギーバック」のニュー・ヴァージョン。
スチャダラパーと競演した古いヴァージョンでの印象的なサビのメロディはそのままに、
雰囲気、歌詞ともに大人っぽくなった仕上がりとなっています。



04.Dixie Chicks - Land Slide (From:Home)
テキサス出身、3人組のカントリー・グループ。
ブッシュ批判をした事で、放送局によってはラジオで放送拒否をされた事もあったとか。
そんな彼女達ですが、この界隈では非常にメジャーな存在で、
アルバムは全世界で1000万枚を超えるリリース数を誇っています。
(それぞれのアルバムを合わせた数ではなくて、それぞれのアルバムごとに1000万枚!)
*今回の曲の合間には、神が舞い降りてくる事はなかったので、
非常に残念ではありますがDJツチヤの一言は割愛させていただきます。



05.Wheat - Soft Polluted Blacks (From:Medeiros)
この曲、題名を直訳すると“ゆっくりとした黒の汚染”となりますが、
サタケ氏の言う通り、確かにコレは、ゆっくりどころか聴いた途端に落ちますわ。
サタケ氏がCafe Wha?を始める際にSparklehorseというバンドと並んで、
このWheatの1stアルバムには大いに影響を受けたとの事。
(See Her Toniteの2ndアルバムには「Sparklehorse Jr.」なんて曲もありましたね。)
そして、DJツチヤも非常にお気に入りであるという名語録の一つ、
ネガティブと書かれたT-Shirtsの余りの布地の薄さに“生地がネガティブだ”という一言。
サタケ氏の“着てたら乳首が透けちゃうよね”という自虐ネタにも大いに笑わさせていただきました。
*このアルバムジャケットの画像はCDで再発された物を使用しました。
レコードのオリジナル・ジャケットは赤だそうです。



06.Nickel Creek - Lighthouse's Tale (From:Self Titled Album)
天才の誉れ高いマンドリン奏者のクリス・シーリを擁する、
カレッジ・パンクに影響を受けたブルーグラス/カントリーミュージック。
数年前には来日も果たしています。
また、それぞれが芸達者ぶりを活かして各々の楽器でソロ・デビューもしているとの事。
曲間での聴き所は、“Guitar Plus Meの音楽は女の子を落としやすい”とか、
“ギターも、歌も、雰囲気作りも上手い”と、これでもかとばかりにシオザワ氏を褒めまくる辺りや、
それに対して“いやぁ、困るね…”と大いに照れるシオザワ氏でありましょう。
あと、DJツチヤのテクニックを駆使したアゴ乗せギターソロを説明する場面や、
サタケ氏とシオザワ氏の衝撃の出会いが告白される場面も良いですよね。



07.Bill Fox - すごい良い曲 (From:“Transit Byzantium” Or “Shelter From The Smoke”)
すいません、さすがにサタケ氏がタイトル・コールをした
“すごい良い曲”ってだけでは題名を割り出せませんでした…
Bill Foxはアルバムを2枚しか出していないので、上記のどちらかには入っているとは思うのですが、
レコードとCDでは収録曲が違ったりしてるらしいので何とも…でも、実に、すごい良い曲。
それにつけても、DJツチヤがフォックスという名前だけから
“これ、キツネっぽい感じですよね”と発した一言は本当にスゴイ。
普通の人は思っていても口に出しませんよ、きっと。
それに口に出したとしても、笑ってもらえるかどうかとは別問題ですし。
実際、自分もサタケ氏とBill Foxが参加していたThe Miceの話をしていた際に、
“このバンドも、キツネっぽいんですか?”と尋ねてみたんですが、すごく呆れた顔をされました。
やっぱり、言うべき人が言わなきゃ駄目なフレーズだったんだと思いましたね、ええ。



08.Cowboy Junkies - Sun Comes Up,It's Tuesday Morning (From:The Caution Horses)
“午前3時の音楽を作る事が目標”というメンバーの言葉も頷けるような静寂を感じさせる音楽。
そのブルースやフォークなどのトラディショナルを追求した音作りから、
イギリスのFairground Attraction(こちらも、すごく良いバンド!)と対比される事も多いみたいです。
“この曲は火曜日っぽい。歌詞の内容をヒアリングして聞き取った。ヒアリングだけは得意だ。”
今回の曲間の聴き所は、なんと言っても上記の台詞を言った前後で
シオザワ氏に“すごいよ、多分それで合ってる”と言われて、どんどん能弁になるDJツチヤです。
…いや、DJツチヤってば、本当に曲の歌詞から聞き取って理解したのかなぁ。
まぁ、化けの皮は、この後に流される曲のトークで、すぐに剥がれる事になるんですけども。
あと、この辺りで“時間がない”との理由から、急にサタケ氏がイニシアティブを握って
ラジオの進行を取り仕切り始める辺りなんかは実に面白いと思います。



09.The Mice - Not Proud Of The USA (From:Almost Ever/Scooter)
サタケ氏がシオザワ氏を巻き込んでイギリスの音楽を一通り批判した後に
この曲をかける事になったんですが、その時のDJツチヤの一言。
“ああ、やっぱりUSAってついてるから(サタケさん的に)良いんですね。”
ツチヤさん、ツチヤさん。この曲の題名、「アメリカを誇りには思わない」なんですけど…
前の曲での、例の発言があるだけに、余計に可笑しい感じになっているのではないでしょうか。
で、Miceの方にも少しふれておきますと、
上で紹介されたBill Foxがソロ・デビューする前の80年代に参加していたバンドであります。
サタケ氏が「オレが買って配りたいくらいだ」と言っていた再発盤CDも無事にリリースされました。
Almost Everという12インチのシングル(ミニアルバム?)と
ScooterというMice唯一のアルバムとのカップリングCDとなっています。
で、Senseless Recordsには入荷していないみたいなので
欲しいという方はAmazon.co.jpで購入なされるのがオススメです。
大手のレコード屋さんを比較したところ、このアルバムはここが一番安かったので。



Guitar Plus Me - Umbrella (From:Water Music)
最近のGuitar Plus Meは、「Water Music」の曲を
テクノポップ的にリミックスしたミニアルバムをリリースしました。
それまでのGuitar Plus Meのイメージを大きく変えるような音だったと思います。
でも、Guitar Plus Meを名乗る前にシオザワ ヨウイチ名義でリリースされた
カセットアルバム、「King Of Home Recording」と、「日本語を歌う」では
アコギのみならず、全ての楽器をシオザワ氏が自ら演奏しており、
最新作のようなエレクトリックなピコピコした感じも取り入れています。
そのシオザワ ヨウイチ名義の音源を聴いてみると、
最新作「Electric Water」の音楽は単に奇をてらった物ではなくて、
もともとシオザワ氏に備わっていた音楽性の一部である事がよく分かるかと思います。